■ 日本万国博・イタリア館
■ 斜めのチューブで構成
『建築文化(1970) 日本万国博覧会』より
  このパビリオンの最大の特徴は、建築は水平、垂直に伸びるというこれまでの建築に対する一般的な概念にはとらわれず、斜めに延ばして天井や床を傾斜させていることである。 RC造の地階の上部に鉄骨で組まれた、チューブと呼ばれる幅35m、高さ39mの動線を主体とした機能をもつ、小さくて閉鎖的な装飾塔の構造体と、チャンネルと呼ばれる幅14m、高さ48mの展示部分を主体とした箱型の、大きくて開放的な構造体を、たくみに30度の傾斜角度で左右から合掌に組合せた。力学的にはチャンネルの構造体をチューブの構造体である装飾塔で支えた架構となっており、組合わされた三角形の美しさで構成されてい<・・・>
  展示スペースにおいても、床が傾斜しているため、水平・鉛直で構成された空間では考えられないような目の錯覚により、思わぬことが起こるように工夫されている。