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■ 日本航空ホテル |
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■ チャコール・グレイの外観 |
<木工界1960年3月号 東京の人・芦原義信 筆者:川添登>より抜粋 |
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芦原の設計で、最近竣工した日航ホテルを訪ずれてみよう。まず、チャコール・グレイのホウロウびき鉄板の外壁が、人の目をそばだてる。いかにも都会的なセンスだが、軽薄でない。むしろ、なかなかダイナミックである。都会的で、ダイナミック。これが簡単なようで、日本人には、なかなかできない芸当なのである。ある建築家が、「この建物は、上をせばめてあるのか」と私に聞いた。見た目に、いかにも高く感じられるからである。私は、この若い建築家の感覚が、なかなか鋭いのに感心した。しかし、観察はたしかではなかった。その観察に確信がなかったから、きいたのだろうが。実は、二階ごとにめぐらした梁があり、この梁が、チャコール・グレイの外壁を、ガッシリとしめつけ、軽薄になるのを防いでいるのだが、それが、上になるにしたがって、幅がせまくなっている。これが、建物を見た目に、高くみせるのである。 |
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■ 芸術家達との共同作業 |
<建築文化1960年3月号 ホテル日航の芸術家たち 著者: 神代雄一郎>より抜粋 |
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ホテルはやはり商売である。篠田桃紅・伊原通夫・流政之という有名な芸術家たちがホテル日航で仕事をしている。旅館やホテルで有名な芸術家が壁画や彫刻をつくった例はいくらもある。そうしたものの、これも一つだと考えれば、そんな中では非常に気持のいいものだとはいえる。客よせのために、改修か何かのとき誰かに後でたのんでやってもらったというのとは違う。最初から建築家と相当の打合せがあったように見受けられる。<・・・> 11階スカイルーム内部中央にある流政之の石彫積壁は丁度両脇の柱と上の梁で具合よく大きさが区切られたので、この部屋のスペースとはうまくはまり合った。この作家の仕事は人一倍力が強いから、もっと広い壁面が与えられていたらオーバーになったかも知れない。 |
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■ 高さ制限31mの時代に11階の建物 |
<東京新聞1961年9月 現代の建築 著者:芦原義信>より抜粋 |
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時計台のついた木造2階建の洋館のあったあの狭い土地に地上2階、地下3階の近代設備のあるホテルができあがったことは、我々設計にたずさわった者にとってひとしお感慨深いものがある。法律できめられた30.3メートルの高さの制限のなかで地上11階の建築をつくることは、天井裏を走る冷暖房のダクトのことを考えても非常に困難であったが、二階おきに大梁(はり)をかけその大梁の中にダクトを通すという特殊な構造法によって可能となった。 そしてこの特殊な構造を外観に打ち放しコンクリートの梁として思いきって表現してある。大梁の大きさは力学的計算に従って上層にゆくほど小さくなっているが、このことと遠いものほど小さく見えるという遠近法の原理とあいまって建築がさらに高く見えるのではないかと思う。 |
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